フランス語は、繰り返しを嫌う言葉で、前に出てきた名詞を反復させるときは、代名詞を使います。
そして、その時使われる代名詞の一つが、この、指示代名詞「celui」で、これは、性数によって変化します。
変化する指示代名詞 celui | |||
---|---|---|---|
男性単数 | 男性複数 | 女性単数 | 女性複数 |
celui | ceux | celle | celles |
● La grammaire française est plus compliquée que celle d'anglais.
フランス語の文法は、英語のそれより、複雑だ。
この例では、「grammaire(文法)」の、繰り返しを避け、指示代名詞が使われています。
「grammaire(文法)」は、女性名詞で、単数形なので、指示代名詞も、女性単数形「celle」が使われています。
French grammar is more complicated than that of English.
英語で書くと、上のようになり、指示代名詞「celle」は、「that」に置き換えられます。
違いは、英語では、性別がないのに対し、フランス語では、性別によって形が変わることです。
また、「the thing」「the things」の意味になることもあるのは、変化しない指示代名詞「ce」の時と一緒です。
違うのは、変化する指示代名詞では、性数に一致させることです。
● Ce pet n'est pas celui que j'ai lâché.
この屁は、私の放った屁ではない。
この場合の、「celui」は、「the thing」のような意味になります。
「que」は、目的格の関係代名詞で、主格の時は、「qui」になりますが、これは、変化しない関係代名詞のページで扱います。
「celui que」で、「the thing which」「what」のような意味になります。
「pet(屁)」は、男性名詞で単数形なので、指示代名詞も、男性単数形「celui」が使われています。
上の例は、英語で書くと、次のようになります。
This fart is not what I released.
● Ce pet n'est pas celui lâché par moi.
この屁は、私に放たれた屁ではない。
このように、後に分詞が来ることもあります。
「lâcher(放つ)」の過去分詞「lâché」が後ろから、指示代名詞「celui」を修飾しています。
形容詞のようにも見えますが、指示代名詞に、形容詞をつけていいのは、形容詞の後に前置詞句などが続く場合のみです。
● Celle qui est assise là est la femme que j'aime.
あそこに座っている女性が、私の好きな人です。
上の文のように、この指示代名詞「celui」は、「人」の意味で使われることもあります。
人数と性別に応じて、指示代名詞も変化させます。
この場合は、「一人の女性」なので、指示代名詞も「celle」という、女性単数形になっています。
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