指示代名詞 ceci cela

「それ、これ、あれ」「it、this、that」のように、指をさして示すような意味を持つ代名詞を、指示代名詞と言い、フランス語では、変化するものと変化しないものがあります。

今回は、変化しない指示代名詞「ceci cela」についてです。
「ce」には、「それ、あれ」の区別はありませんが、この「ceci cela」には、それがあるのが特徴です。
変化しない指示代名詞の表は、以下のようになります。

変化しない指示代名詞
単純形 複合形 収縮形
ce ceci cela ça

これ、それ

● Ceci est un poil de nez, cela est un poil d'oreille.
  こちらが鼻毛で、そちらが耳毛です。

このように、「ceci cela」は、一緒に使われると、
「ceci」が、「これ(近いもの)」、
「cela」が、「それ(遠いもの)」、
の意味になります。

前者、後者

● Je n'ai pas dit cela. Ce que j'ai dit est ceci.
  そんなことは言っていない。俺が言ったのは、こうだ。

最初の例は、「距離」的な遠近を表していますが、この例のように、時間でも同じです。
時間は、未来から現在、現在から過去、に流れ、未来は近づいてきて、過去は遠ざかっていきます。

ですので、「時間」的な遠近を表す場合、「ceci cela」は、一緒に使われると、
「ceci」が、「後者。これから述べること(未来は現在に近づいてくる)」、
「cela」が、「前者。以前に述べたこと(過去は現在から遠ざかっていく)」、
の意味になります。

上の二つの例は、両方とも、英語でいうと、「this」「that」の関係に似ています。
ただ、「変化しない」指示代名詞ですので、英語の「this」「that」は複数形が「these」「those」になりますが、この「ceci」「cela」は、複数形でも、女性形でも、そのままです。

英語で言う「that」

● Cela me donne de l'énergie.
  これは、僕に、活力をくれる。

● Regardez cela.
  これを、見たまえ。

これらのように、「être」以外の動詞を従える主語になる時や、単独で属詞や目的語になる時は、「ce」は使えず、この場合、「ceci」より「cela」になることが多いようです。

「C'est」の強調

● Cela est désopilant!
  そいつは、傑作だ!

この例のように、「C'est」の強調として、「Cela est」の形になることがあります。
この場合、「cela」が分離して、「C'est là」の形になることもあります。
「ceci」を使ってもOKですが、一般的に、「cela」のほうが、よく使われます。