所有限定詞

所有限定詞とは、「私の」とか「あなたの」を表す限定詞です。
一般的には、日本では、「所有形容詞」と呼ばれますが、通常、冠詞と一緒には使わない、比較級にならないなど、どちらかというと、限定詞の要素が濃いので、このサイトでは、「所有限定詞」と呼ぶことにします。

フランス語の所有限定詞は、以下のように変化します。
括弧内は、次にくる単語が、母音か、無音の「h」、で始まる場合です。
また、非可算名詞には、単数形が使われます。
人以外のものには、通常、三人称が使われます。

所有限定詞
   男性単数 女性単数 複数
一人称単数 mon ma(mon) mes
二人称単数 ton ta(ton) tes
三人称単数 son sa(son) ses
一人称複数 notre notre nos
二人称複数 votre votre vos
三人称複数 leur leur leurs

所有限定詞は名詞の性数に一致させる

所有限定詞は、英語にもある概念ですので、英語では、「my」「your」などを指すので、フランス語の所有限定詞も、理解しやすいと思います。
英語と違うのは、フランス語の名詞には、性別があり、所有限定詞は名詞の性数(男性か女性か、単数か複数か)に一致することです。

● son rêve
  彼の(彼女の)夢

所有限定詞は、「彼の」も「彼女の」も、同じ形です。
これを、明確にしたいときは、「à + 人称代名詞の強勢形」が使われます。

● son rêve à lui
  彼の夢
● son rêve à elle
  彼女の夢

「rêve」は、男性名詞で、単数形なので、所有限定詞も、男性単数形が使われています。

● notre rêve
  俺らの夢
● notre(nosも可) rêves
  俺らの夢

この、上の例は、「俺ら」が、一つの共通の夢を持っている場合です。
対して、下の例は、「俺ら」が、それぞれ、違う夢を一つ持っている場合です。
この場合、所有限定詞は、単数形でも複数形でも、どちらを使ってもOKです。
「それぞれの」を強調する場合は、「chacun」をつけます。

● chacun notre rêve
  俺らそれぞれの夢
● chacun nos rêves
  俺らそれぞれの夢

上の例は、「俺ら」が、それぞれ、一つずつ、違う夢を持っている場合です。
下の例は、「俺ら」が、それぞれ、複数の、違う夢を持っている場合になります。

ちなみに、この「chacun」も限定詞と定義されることもあり、この場合、この所有限定詞と、一緒に使われています。
「chacun」を限定詞、所有形容詞を所有限定詞、と定義した場合には、上のような例は、「限定詞は、名詞一つに対して一つしか使えない」という規則の、例外になります。
ただ、この辺りの、文法的定義は、言語学者や文法学者の方に、お任せして、初心者のうちは、こうなる場合がある、とだけ覚えておけば十分です。

体の一部を表す時

● Elle s'est grattée le cul.
  彼女はケツを掻いた。

● Elle s'est grattée son cul.
  彼女はそのケツを掻いた。

● Elle s'est grattée son petit cul.
  彼女はその小さいケツを掻いた。

● Elle a le petit cul.
  彼女は小さいケツをしている。

1番目の例で分かる通り、体の一部を表す時は、通常、定冠詞が使われます。
「cul」というのは、「ケツ」という意味の俗語で、男性単数形なので、定冠詞も、男性単数形である「le」が使われています。

2番目の例のように、所有限定詞をつけると、強調され、「その」という意味になります。

3番目の例のように、形容詞などによって、その体の一部の名詞が修飾されるときも、所有限定詞を使います。

4番目の例のように、「avoir + 体の一部」になるときは、定冠詞を用います。