Le Grand Cahier

Le Grand Cahier (Points (Editions Du Seuil))
Le Grand Cahier
著者:Agota Kristof
発表年:1986
オススメ度:★★★★★
読了日:2018.03.18

あらすじ

戦争中、食料が足らず、母親から祖母の所へ預けられた、双子の男の子。
彼らは、過酷な状況を、たくましく生き抜き、その様子を、「Le Grand Cahier」と名づけたノートに書き綴った。

私の感想、レビュー

本作は、アゴタ・クリストフの「悪童日記」の原書で、私は、タイトルはずっと前から知っていたのですが、この度初めて読みました。

感想は、「素晴らしい!」の一言で、評価は、星5満点です!

社会的弱者に「悪」のレッテルを貼って、叩き、搾取しようとする人間たちを、主人公の双子たちが、逆に、出し抜いていく様子が、とにかく痛快でした!

あと、フランス語が読みやすかったので、より、「楽しめた感」が強かったのだと思います。

著者はハンガリー人で、フランス語は外国語にあたり、そんな、非ネイティヴによる文章だからか、ネイティヴが書く文章より、平易で、私でも、ほとんど、すべての文章を理解する事が出来ました!(まだ、辞書を引きながらですが笑)

また、この本の前に読んだフランス語の本、Les Dieux ont soif(神々は渇く)は、固有名詞が多く、知らないと理解できないところが多かったので、今度は、固有名詞がほとんど出てこない作品を読みたいと思い、この本を手に取ったのも、大正解でした。

Vous, une fois la guerre finie, vous êtes tous des héros. Mort: héros. Survivant: héros. Mutilé: héros. C'est pour ça que vous avez inventé la guerre, vous, les hommes. C'est votre guerre.

Je suis restée couchée là, sans manger, sans boire, je ne sais depuis combien de temps. Et la mort ne vient pas. Quand on l'appelle, elle ne vient jamais. Elle s'amuse à nous torturer. Je l'appelle depuis des années et elle m'ignore.

固有名詞がほとんど出てこず、フランス語も平易で、ページ数も、長編にしては短い方なので、とっても読みやすく、それでいて、内容は素晴らしい作品だと思います。

残酷な描写も多々あり、この本の中で起きたことを、実際に見たら、とてもこんな風には思えないかもしれませんので、あくまで本の中の出来事としてですが笑、読んでいて、弱者が強者を出し抜いていくところが痛快で、元気の出る本でした!